2020

   



 公開後の各種レビューもイマイチなら興収もぱっとしないらしい。というか、なにより私自身が最初からこの映画に希望を抱いていなかった。

 最終3部作の1作目「フォースの覚醒」は
「帝国にとっても反乱軍にとっても重要な情報を握るロボットが帝国軍の手からからくも脱出。そのロボットは砂漠に住む(強いフォースの持ち主だがその力を自覚していない)若者の元に逃げ込む。
 戦闘に巻き込まれた若者は先輩の助力を得て「ミレニアムファルコン」で脱出、反乱軍の元へたどり着く。
 若者のメンター(助言者、指導者)となるべき人物は後進の指導に失敗して引きこもっている。
 反乱軍の基地のある惑星は帝国の惑星破壊兵器によって風前の灯火となる。若者と反乱軍は破壊兵器の破壊に向かう(先輩は若者の目の前で敵の指導者に殺される)
 トレンチをくぐり抜けXウイングファイターはついに敵に致命的なダメージを与え、宇宙を揺るがす大爆発、メデタシメデタシ
」(SCRIPT SHEET 2016より)
 という第一作の(唖然とするほどの)焼き直しだったし、続く「最後のジェダイ」は
「レジスタンスのパイロット、ポー・ダメロン(イケイケ)とトルーパー崩れのフィン(巻き込まれ型)は今までのシリーズでは見かけなかったデコボココンビでうまく使えば面白い要素になったと思うのだが、今回この2人は本筋とあまり関係のない「暗号解読者捜索エピソード」に放り込まれ、事実上出番はそこしかない。ところがこのエピソードは「何の意味もありませんでした」で終わってしまうのだ。
 向こうっ気の強い若者が頭の固い指導者の言うことを聞かず暴走して、ピンチになって協力者を得て、大冒険して、ついにゴールにたどり着いた結果「その甲斐はありませんでした」ってドラマツルギーとしておかしくないか?
(SCRIPT SHEET 2018 より)

 というわけで最初から少なかった最終3部作への期待値はだだ下がりしていたのだ、とはいえまあ、天下のスターウォーズの完結編、観に行かないという選択肢はなくその終焉を見届けようか、というくらいのつもりで劇場に足を運んだ。


 そもそもが内容的に地続きの話を42年越しで作るというのは無茶なのだ、見始める時期が違い思い入れの場所もそれぞれに違う、しかし熱狂的な無数のファンを満足させられる映画など作れる筈もなく、結果これは各世代各層から不満を抱かれることが約束されている不幸な映画だったのだ。

 しかし! そのような諦観を胸に観にいったせいか驚くべきことにこの映画は面白かった、いや面白かったと言い切ってしまうと言い過ぎ感があるのだが、前作、前々作のようにオイオイと思う部分はなく(少なく)破綻している部分は(あまり)無く、1本の映画として成立していたと思う。
 映画として成立しているだけで評価されるのか?と思う向きもあるかもしれないが、この映画は考慮しなければならない無数のお約束ごとや期待、因縁でがんじがらめであり、その無数の特異点に引き裂かれて空中分解しなかっただけでも評価されるべきだと思う。
 そして部分的には見るべきカットもあった、冒頭の連続ワープとか、惑星エンドアのデススター残骸上での戦い(波の表現が素晴らしい)とか。
 わたし的にはラストシーンでXウイングファイターとTIEファイターが並んで着陸しているカットでぐっと来た。

 というわけで製作者たちはこのシリーズをなんとか着地させ得ていた。大成功することが不可能であることが約束されていた映画でこれは奇跡的な大成功(!)なのだと思う。